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無記名ドットコム

問われて名乗るもおこがましい

ピーター・ブルック『Battlefield』〜わからないものに惹かれる

舞台 感想まとめ
11/26『Battlefield』(バトルフィールド)へ。(↓フライヤー画像)
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この週末で終わってしまーう

久しぶりの新国立劇場はクリスマス仕様。右のほうのトナカイが首を上下に振っていた。可愛い。
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2日目だったので、批評家の先生方や山田洋次監督、白井晃さんほか客席も豪華。

ジャンベ=西アフリカの太鼓。こんなん↓

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ただの陽気な太鼓っぽいのに、土取さんの手に掛かると様々な感情の籠った音で放たれる。凄かった…

(太陽神俗っぽい→一人の少女が召喚してしまった太陽神が手ぶらでは帰れないとその娘を妊娠させてしまう、という話がちらっと出てきただけ)


「戦場」というタイトルからもっと凄惨な場面があるような舞台なのかと身構えていたけれど、そんなわけなかった、そうだこれはピーター・ブルックだった。

一見静かに淡々と戦場の様子が語られていく。大量殺戮の果てに終わった戦争、勝ったはずの王たちの苦しみは続く。

ひしひしと伝わってくる苦しみや痛みの中に、ふと笑みがこぼれるような軽い場面がさりげなく挟み込まれたりして、物語に囚われすぎずに観られた気がする。


この作品の元となり、9時間もの超大作だったという『マハーバーラタ』は知らない。私の初ピーター・ブルック作品は『ザ・スーツ』(2013)だった。去年の『驚愕の谷』も観ている。好みで言えば今作よりもザ・スーツのほうが上で、それは単純にあっちの方がわかりやすかったというのもあると思う。

今回の作品は正直詳しいことはわからなかったけれど、それでもすごかった。わからないなりに衝撃を受ける作品だった。

一流が集まれば削ぎ落とした中でもとても濃い空間が生まれるということを、客席で体験できたことが嬉しい。


でも、わかる わからないと 惹かれるっていうのはまた別なことでしょ
わからない所に惹かれる、っていうこともありますしね(2015.11.12 TBS「ゴロウ・デラックス」)

先日見た番組で聞いた古井由吉さんのこの言葉は、何も本だけに限らないんじゃないかなと思ってとても印象に残っている。
「わからないからつまらない」と即切り捨てたり、「わからない自分はだめなんじゃないか」といじけたりするより、例え頭で理解することができなくても、感覚で何かを受け取ることだってある。
それでもつまらないと思うものもあるけどー\(^o^)/

ピーター・ブルックが意図するところの半分も理解できたとは思えないけど、それでも心に残る舞台だった。
単なる好き嫌いで言ったら、嫌いではないけど好きかどうかよくわからない、という感じ。